毎年12月27日にする事
ちょっと季節はずれになるが、まだ一月なのでOKかなということで書かせて頂きます。
僕がこの頃思うのが、やはり新年は日本的に静かに向かえるほうがいいということである。ヨーロッパの人がどう思うかわかりませんが。こちらでは大晦日に、花火を打ち上げパーティーをする。かなりのドンちゃん騒ぎだ。昔は僕もこれはこれでいいかなと思っていたし、いまでも新年をどう迎えるには個人の自由でいいと思うのでそうしたい人はそうすればいいと思う。
ではなぜ僕が新年を静かに迎えたいのかといえば、そうする事によって新しい年に精神的に集中できると思うからである。ヨーロッパ的にやると元旦の朝は二日酔いなどで精神的にも肉体的にも最悪の状態で迎える事になる。それもそうだ。パーティーでガンガン飲んだり踊ったりの大ドンちゃん騒ぎの後だからだ。
昔はあまりそのことが気にならなかった。まあ若かったからだろう。しかもクリスマスはしーんとしているのだから大晦日はそれでいいじゃないかと思っていた。
でもこの頃日本の正月が非常に恋しい。
静かに大晦日と新年をむかえ元旦の日にはおせち料理を食べお酒を飲み楽しく優雅に過ごす。そして新年をかみ締める。なんとすばらしいのだろうか。新しい年がやってきたという気がものすごくするし、だからいい年にしようという意気込みも入る。精神的にも肉体的にも最悪の状態で迎える西洋の元旦とは大違いだ。そんな状態でいったいどうやって新年の決断ができるのだろうか?と思ってしまう。
だからといって西洋的なやり方を否定しているわけではない。新年の決断を大晦日から始まるパーティーで友達や家族と話しあう事もできるだろう。実際に僕も大晦日の友達の家で開かれた素晴らしい、本当に最高だったパーティーで新年の決断を語りあった事もある。
ただ僕はやっぱり日本人なんだなーと思ってしまう。もちろん西洋人でも同じように思っている人はいると思う。
僕はしーんとしているロンドンのクリスマスは大好きだ。だからクリスマスはこちらで向かえ27日に日本に飛び新年を迎える。これが最高なのである。
O-ARC(マサ)
パリ旅行(3) – 美味しいのに何かおかしい. . . .
今回のパリの旅行ではサンジェルマンデプレにある、とあるレストランで夕飯を食べた。アピタイザー2品、前菜2品、主菜1品、デザート1品のコースだ。食事、サービス、お店の雰囲気は総合していい感じのレストランである。ただ僕は一つだけ気にかかったことがあった。食事をして店を出てしばらくしてから思い始めたのだが。何かがしっくりこなかった。
それは何かというとアピタイザーの1品である。これは非常に小さいもので鯖のマリネにマスタードソース、パプリカ、大根などちょっと日本を意識したものだった。(もう1品のアピタイザーはごぼうを使ったもの)ここのレストランでは日本人の八百屋さんから野菜を仕入れているとのこと。ちょっとこのアピタイザー、御節料理を思い出してしまった。味は非常にいい、でも何かしっくりこない。
そこで気がついた。それは味ではない。どうプレゼンテーションされたかなのである。このアピタイザー非常に小さい。まあアピタイザーだからしょうがないだろう。でもそれをナイフとフォークで食べるのである。もちろん前菜様の小さめのナイフとフォークだが、それにしてもこの食事には大きすぎるのである。ケーキを食べるときに使うあの小さいやつがいいのではないかと思ったくらいだ。
つまりなにを言いたいかというと人はものを食べるときに食事の味だけを感じているのではない。食べるために使っているカテラリー自体も味としてまたは舌が感じるセンセーションとして感じているということだある。非常に小さい食べ物をそれに合わないサイズのフォークで食べたので味がちょとメタリックな感じがしてしまったのである。
御節料理はサイズ的には小さいが、箸で食べるので舌に触れるカテラリー(つまりこの場合は箸)の面積が非常に少ない。だから食べ物そのものの味を感じ取れるのである。日本の食べ物というのは、ほとんどが小さく切られ箸で食べられるようになっている。その点、西洋のものはナイフとフォークで自分で切り分けて食べる。しかもフォークは一般的に口の中に触れる面積が大きい。それにくらべ箸は口の中に触れる面積が少ない。しかも日本の箸のほとんどは木でできている。木というものは食べもの一種ではないか。
木の実や竹の子などがそうだ。だから口に含んでもあまり違和感がないのではないだろうか。だいぶまえのことになるが確か僕が一時期東京の表参道の近くのゲストハウスに住んでいた時だと思うがある西洋人の住人が箸で食べたほうが食べ物が美味しいといってパスタを箸で食べていたのはまんざらうそではなかったと今になって気づいたのである。
O-ARC(マサ)
パリ旅行(2) – フランクロイドライトの椅子
今回の12月13日から16日までのこの旅で一番印象に残ったことは建築家フランクロイドライト(1867-1959)のデザインした椅子に座れたことだ。
フランクロイドライトといえば西洋の美と東洋の美を見事にブレンドして建築を造った人だ。浮世絵の収集家でもあり、1906年にはシカゴで行われた安藤広重展の企画のサポートなどもした。日本の旧帝国ホテルをデザインした人でもある。僕の尊敬する建築家の一人である。昔ニューヨークに学生として住んでいたときメトロポリタン美術館の彼が設計した部屋に入ったが言葉を失なってしまった。もちろん美的に美しいのはいうまでもないがあの部屋で日本語を使っていいのか英語を使っていいのか解からなくなってしまったのである。それだけ見事に二つの美の要素がブレンドされていて一つの美しさとして確立されていたのである。彼の作品は当時のほかの建築家と比べてもユニークであった。その彼椅子に座ることができたのは最高の気分でした。
じゃあどういう経過をたどったのかというと。
パリには色々なところにパサージュというガラス屋根つきのアーケードがある。妻がパサージュめぐりはどうかと提案したのでよし行ってみようということになった。ならば一番古いところからということでギャルリーヴェロドダに行ってみた。ロンドンにも美しいパサージュはあるので(ロンドンではアーケードと呼ぶ)あまり感動はしなかった。まあこんなものかと二人で思ってしまった。
入り口の処にクリスチャンルブタンのショップ(僕はクリスチャンルブタンというデザイナーは全然知らなかったのだが)がありそれを横目で見ながら通過するとあるギャラリーが目に留まった。日本の掛け軸をまねて写真を飾っている作品があったのである。なんか面白いなと思い中に入ったのである。その写真は靴がベースになっていろいろなモデルを使ったコラージュ的なものであった。妻が靴はクリスチャンラクロアのものでパサージュの入り口の処にショプがあるといったのでなるほどと思ってしまった。うまく宣伝もかねているなと。
そのギャラリーにはアンティークファニチャーもいくつか置いてあってその一つがフランクロイドライトのデザインした椅子にそっくりだったので尋ねてみると、そうだというのでびっくりしてしまった。美術館でしか観たことがないものが今僕の目の前にしかも触ろうと思えば触れるのである。だがそれはまずいだろうと思い、だけど写真ぐらいは撮りたいとおもい尋ねてみた。そうしたらなんと座って写真をとってもいいとのこと。びっくり仰天もう最高の気分である(座り心地はまあまあだが。。。)ギャラリーで働いていた素敵で落ちつ居た物腰、しかもフレンドリーな女性ドミニクは感謝感激である。
彼女の働いていたギャラリー
www.galariedepassage.com
是非パリにお越しの際は行ってみてください。
O-ARC(マサ)
パリ旅行(1) – 色気むんむんの都市パリ
パリはぼくも妻も大好きでこれで4回目の旅行なる。ぼくは総合で6回目妻は5回目になる。今回は12月13日から16日までの3泊4日の旅行となる。
なぜぼくはパリが好きかというと色気があるからである。僕はロンドンにかれこれ15年住んでいるがロンドンが色気のある都市だとは思った事はない。美的な意味において非常にシャープな感じはするが。
じゃなぜ色気があるのかというと、それには感情的な部分と自由なクリエイティビティーが入り混じり歴史に対する尊敬の意識とその重みをシリアスに受け入れそれから新しい物をつくりだすエネルギーがあるからだ。
例えばもしアメリカ人がポンピドゥーセンターをニューヨークに建設したなら大きさとしては半分いや3分の1の大きさでよかったと思うのだが。つまりアメリカにとっては新しいものはコンセプトとした新しければそれでよし。みんな納得するような気がする。でもフランスではそうは行かないような気がする。ポンピドゥーセンター建設にはかなり反対があったらしいが。なぜあんなものを伝統的に美しい建物が隣接する地区に建てるのかと。
だからぼくは思ったのだがもし新しいことをするならば歴史の重みに負けてはいけない。それが建築ならば巨大なものを創って歴史に挑戦する。ぼくはポンピドゥーセンターを見たときにその大きさに圧倒された。なんであんな伝統的な建物が並ぶ地区にあんな近代的な建物を創るのかと思いきや、すぐに僕なりに納得したのである。フランス人は歴史の重みを知っていると。あのくらいのスケールがなければあの建築は受け入れられないのである。ものすごいエネルギーで表現されなければならないのである。大きさがすべてではないがあの大きさは他の歴史的に古い建物に比べれば格段にでかい。圧倒である。ぼくはそう思ったとき「なんとまーフランスは色気がある国なんだろう」と思ってしまった。
他にもまだあるがとりあえずこんなところで。
O-ARC(マサ)
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